就活

「やりたいことが求人広告にないんですがとりあえず就職すっかなと」
聞いてみると職人に弟子入りして手に職をつけたいのがわかった。
「会社勤めは興味がなく、手を使って作ることをやって行きたい、自分はそれが好きなんです」
このまま放置すれば、いまどきの若者の考える、内定もらって会社勤めして1、2年経ったら好きなこと見つけてそっちに移る短期ビジョンに陥る寸前だ。
「それでもいいけど、腰掛けで1、2年行っても得るものはないからムダ、そんなことするくらいならさっさと尊敬できる職人の門を叩いて人間から鍛えてもらった方がどれほど人生オモシロくなるかわからんよ」とホンネで話した。
どんどん曇った目からはっきりと輝きを取り戻してゆく若者を見て、なんで回りの大人がホンキで自分の意見を言ってやらいのか。社会人は自分の経って来たことを振り返えりつつ、迷える子羊たちが必死で考えた回答に耳を傾けて親身に体験談からの意見を帰してやるべきと思った。